カエデ自動機械

ちょっとしたものづくりや電子工作のメモなど。技術開発とは今は呼べないかな。

倒立振子ロボットを作る(4)-車体全体の構造

車体全体のイメージを描いてみる

前々回、そして前回で、コア機能である姿勢制御の目処が立ち、メイン部品であるモータとホイールが決まりました。
ロボットのフレーム自体は手持ちのアルムフレームを使うつもりですので、これでなんとなくロボットの外観がわかるようになりそうです。
手持ちのCADで早速組み立ててみようと思います。

さっさと実際に組み立てたら良いとも思うのですが・・・
パソコンの中でいじくりまわすのもそれはそれで楽しいんですよね。


CAD内での組み立て

手持ちのアルミフレームは、Makeblockという中国の深センにある会社のものを使います。
docs.makeblock.com

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

MakeBlock ショート ビーム キット (青色)
価格:4320円(税込、送料別) (2019/8/10時点)


今では日本国内でもメジャーになったみたいで、事務所も国内にできているようです。 私がこれを買ったのは3年前くらいで、当時はまだ英語のサイトしかなく、送料5000円くらい払って中国から直接送ってもらっていました。 日本でもAmazon等で辛うじて取り扱っていましたが、種類が少なかったので。 この会社の機械部品は全て等間隔(大抵の場合16mm間隔)に穴が開けてあり、一部はネジも切ってあるので、 M4のボルトで固定していくことで手軽に自分だけのロボットの車体を作ることができます。 過去の作品として写真だけ紹介したロボット戦車も、ここの部品を組み合わせて作りました。 ネジ止めタイプのレゴブロックみたいな感じでしょうか。 当然、車輪などの周辺部品や、モータ、モータドライバ、MCU等の電気部品も取り扱っています。 前回選定したサーボモータやホイールも寸法が公開されていますので、これらをCADに起こして、PC内で組み立てていきます。
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CAD内で組み立てた倒立振子型台車
水平方向の部材が今は一本しかありませんが、高さを変えて何本か挿入することで、それぞれの部材がセンサやバッテリのマウントポイントとして機能します。 サーボモータと構造部材を繋ぐモータマウント(赤い部品)、サーボモータとホイールを繋ぐホイールブラケット(濃い青の部品)は残念ながらちょうどいい部品がありませんでしたので、3Dプリンタを使うことを前提にオリジナルで作りました。 最近はSTLファイルを送付すれば3Dプリントを安く請け負ってもらえ、完成品も宅配してくれるところも多く、私もよく使っています。 後は友人の3Dプリンタが空いているときは出力を頼み、ついでに食事に行って奢るとか。 それが何らかの理由で難しいのであれば、モータマウントやホイールブラケットも全部セットで売っているものを使う必要があります。 同じメーカのものならば可能だと思いますし、その方が見た目も統一感があって格好いいと思いますが、多少、部品選定の自由度は落ちるかも知れません。

3Dプリンタでの出力

これについては特にひねりもなく、各部品を出力していきます。

ただ、3Dプリンタで作りますと言うと、最高に簡単なプロセスでどんな形状の部品でも最高の質で出力してくれそうな気がしますが、
実際は「3Dプリンタで出力しやすい」形状を作り、「3Dプリンタで出力しやすい」向きに出力しなければ、意外と上手く行かないみたいですね。
3Dプリンタのグレードにも依るでしょうが、僕が使ったことのあるグレードだとそのようでした。(使ったことのある一番ハイグレード品が50万円のFDMタイプ、あまり評判の良くないメーカーの品(笑

これについては色々と自分なりのノウハウがあったつもりなのですが、
こうやってブログを書いたりTwitterで似たような活動をしている人の情報を収集していると、
もっと詳しい人が大勢居て、自分のノウハウとやらが使われることはなくなり、それらを見て勉強するばかりになっています。

海外の3DプリンタメーカーのWEBサイトにも、プリントのコツを文書にまとめて公開したりしていますね。

そんな感じで、プロントした部品がこちらになります。

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3Dプリンタで出力した部品(黄色の部品6点)

画面中央(少し左)、サーボに取り付けてある2点×2セットの部品と、その手前のホイールブラケットがそうです。
黄色は、その時この色が一番安く使えたのでこの色になりました。
気に入らなければ後で塗装しようと思います。

車体の組み立て

これらの部品を元に車体を組み立てていきます。

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組み立てた車体。ネジ止めがしにくくて苦労しました。
わざわざパソコンの中で一度組み立てていたのにも関わらず、特に組み立てやすさみたいなことは考えなかったので、ボルト留めがしづらい部分が多くて大変でした・・・
ちなみに、意味のある情報か、そして意味のある行為かはわかりませんが、昔サイクリングにハマった時の癖で、ボルトどめの際はねじ山にグリスを塗るようにしています。
makeblockの部材がアルミ製で、使っている六角穴付きボルトがステンレスなので、もしかしたら固着防止になるかもしれませんが・・・屋内なら気にすること無い気もします。

フライングで既にバッテリーや、将来の自律走行に備えたシングルボードコンピュータ(ラズパイ互換のUP-Boardという品)を搭載しています。
UP-BoardにもUbuntuが載っているので、既にスタンドアロンで動くポテンシャルは有していますが、まだROSの開発母艦PCはデスクトップを使っているので、最下層に搭載したLambda PlusからはUSBケーブルが伸びています。

(当時は)重心が高いほうが制御しやすいと思っていたので、部品は重い順に上から配置しました。
IMUが載っているLambda Plusは、一番軽いからという理由もありますが、高い位置に乗せると姿勢の変化で加速度等のノイズが入りやすくなりそうなので、最下層に配置しました。

次回からこれを動かすコードを作っていこうと思います。
将来のために用意している関数とか、デバッグ用の関数とかが大量に残っていて、整理しきれる気がしないので、どういう形で公開するかはわかりませんが・・・
オリジナルのコードを公開する場合の説明というのも色々大変だし・・・
ktd-prototype.hatenablog.com