倒立振子ロボット ver.2 の基本設計
前回述べたとおり、倒立振子ロボットを作っているので、開発記録的なものを残そうと思っています。
今回は、ロボットに求められる機能・性能はどのようなものなのか、というのを明らかにできないか考えてみます。
趣味のロボットを作るときにこういうプロセスを踏むことはあまり無いと思うのですが、
学生時代の思い出を友人と話す機会があって、授業で習ったプロセスを思い出したので、
勉強がてら使ってみようかなと思いました。
思考展開をしてみる
設計というと大袈裟ですが、
「何がしたいのか → こう実現する」
をモノづくりの色んなプロセスで繰り返すということだと思います。
・・・みたいに、モノづくりに限らず色んな場面の色んな段階で、何がしたいのか、それをどう実現するかという思考は繰り返されると思います。
(例えがそもそもモノづくりではなくて、スマホの機種選定ですが・・・)
設計における思考展開
大学時代に購入した本の思考展開図を転載してみると、下のようになっています。
このように、
- 何がしたいのかを決める
- したいことを、個別に実現方法が思いつくまで機能要素に分解する
- それぞれの要素に対して実現方法を機構要素として書き下す
- 機構要素をとりまとめて全体構造を明らかにする
というのが設計というプロセスなのだということだと思われます。
実際の製品(自動車)を例にとってこのプロセスを書き下してみると、下の写真のようになると思われます。
設計と急に言われると難しそうですが、機能にしっかり分解したときに実現方法(機構)が全く見当もつかないことは稀だと思うので、
やってみると意外とうまくいくというか、「この行為をやらなくても同じ結果になる」と思います。
もしかしたらこの過程で、その機能が本当に必要かとか、機能実現のための機構は本当にそれが最適かとか、そういう頭の整理には良いかもしれません。
倒立振子ロボットの設計思考展開
お察しの通り、趣味で作っていますから「必要性」なんてものはありません。
「作りたいから作る」のだから、出発点の「何がしたいのか」や、思考過程に出てくる「どう実現するか」よりも、終着点である「全体構造」がとにかく頭にあります。
「何かがしたい」のではなく、全体構造として倒立振子ロボットを作りたいのです。
というのは頭の片隅に置いて、(終着点が倒立振子になるように)実際に思考展開図を作ってみます。
上でも指摘した通り、機能要素(何がしたいのか、を分解した部分)がふわふわしているというか、
「程よく複雑」みたいな、やりがい重視(?)の精神論になっていますね。
趣味で製作するものは中々「必要機能」というものが挙げづらいので、この図の中では、これ以上の深追いはやめておこうと謂います。
ちなみに、難しいですが、各機能要素と機構要素が完全に1対1になっていた方が、
機能の追加、削減や修正をしてもそれが他の機能に影響しないのでおすすめとされています。
そんなに上手く行くことは無いと思いますが。
結局、ものを作る段階になると、展開した各機構要素について細部を考えていくことになります。
台車なら、家の中で使うのだから、せめて扉は通れるくらいの横幅にしよう、とか、乗り越える段差は座布団の高さくらいまでいいかな、みたいな。
例えば、最初の思考展開図で必要と判明した機構要素である「倒立振子型台車」を、今度は要求機能に据えてみます。
別に当然のことを書いているだけの気もしますが、一応、大体台車に求められる機能が明らかになりました。
今後、実際に1つ1つ機構要素を実装していこうと思います。
まとめてみると、
- 最終的には移動式スマートリモコンを目指す
- 勉強も兼ねてROSを使う
- (図には書いてないけど)まあやれそうなところからやってみよう
ということになるでしょうか。
この図だけでは本当に概念設計しかできていませんが、
次回から、実際に倒立振子ロボットの設計を考えたり、部品を組み立てたりを始めようと思います。
ktd-prototype.hatenablog.com