カエデ自動機械

ちょっとしたものづくりや電子工作のメモなど。技術開発とは今は呼べないかな。

力覚ロボットハンドの製作(1) ー構想

前回、自分にも作れるのでは? と言いましたが、前言撤回です。
難しそうですが、やってみたいので、やってみようと思います。それだけです。

今回はどのようにアクチュエータを動かせば良いのかなんとなくイメージを掴む作業と、ハードウェアを準備する作業を進めていきます。

マスタ・スレーブ式のハンド

一般的なマスタ・スレーブ式のハンドであれば、簡単です。

  1. 手元でマスタ側のハンドを動かす
  2. その時のマスタ側の状態値を取得し、スレーブ側に送信
  3. その状態値と同じ状態値になるように、スレーブ側を駆動

で、大丈夫でしょう(多分)

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通常のマスタ・スレーブ式ロボットハンドの概要図

本当に真摯にマスタ・スレーブシステムを(例えば業務用で)取り組んでいる方からすれば、そんなに簡単ではないと言われてしまう気もしますが、自宅の机の上で動かしている限りでは、まあいいでしょう。

ここまでなら、エンコーダが入ったモータなら僕でもなんとか作ることができそうです。


力覚フィードバックの追加

力覚フィードバックとはここでは、スレーブ側がどの程度の力で物を掴んでいるのか、マスタ側で感知できるようにする ことを指します。

スレーブ側のハンドを動かすところまでは、上記と同様のやり方で行ける気がします。
その上で、

  1. 実際にスレーブ側のハンドが何か物を掴む
  2. その時の把持力を何らかの形で取得する(把持トルクτ、あるいは把持対象物から受ける反発力に由来する反発トルク
  3. マスタ側ハンドを人が操作する際、その操作に対する抗力として、上記把持トルクを再現する

とすれば、マスタ・スレーブ駆動と力覚フィードバックが両立できる気がします。

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力覚フィードバックありのマスタ・スレーブ型ロボットハンド

ポイントは、スレーブ側は対象物を掴むために、アクチュエータにはハンドを閉じるようなトルクを出力させる一方、マスタ側は、対象物を掴んだ結果の抗力(反トルク)を再現するため、ハンドを開く側(ハンドを閉じようとする力を阻害する側)にトルクを出力させることでしょうか。

理屈が合っているかわかりませんが・・・


まとめ

短いですが、キリが良いので一度ここまでにしてみようと思います。
とりあえず、上手くいくかはわかりませんが、自分の中では理屈が通った形で理屈を準備することができました。

いつも使っている近藤科学のモータと制御パッケージであれば実装は簡単なはずですので、次回は構造部分の設計をしていこうと思います。

Open Manipulatorみたいな標準ハンドを持っていればもっと楽だったかもしれませんが、とりあえずはフルスクラッチで作っていきます。